「FIREさえすれば、人生バラ色!好きなように生きられる!」
って、心のどこかで思ってませんか?
私は思ってました。
でも、この本を読んだらその考えがちょっと甘かったかもって思わされたのです。
人気ブロガー・ヒトデさんの『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』。
タイトルだけ見ると、ちょっとふわふわした感じの本かな?って思うかもしれません。
でも実は、FIREという夢を追いかける私たちに強烈なカウンターパンチを食らわしてくる、そんな一冊でした。
そこで今回は、『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』を徹底レビュー!
FIREを目指す人もそうでない人も、きっと人生について深く考えさせられるはず。ぜひ参考にしてください。
1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を持つ現役FP。
今まで利用したFP相談サービスは32社(合計40回)
【資格】FP1級のほかに宅地建物取引士・日商簿記2級など他20個所持
夫30歳、妻33歳、子ども2人(3歳・0歳)
FP相談を初めて利用する人が失敗しないよう、リアルな体験談を発信中
1万回生きたネコ「小鉄」との出会い
主人公は、都内の大企業で働く佐藤智也。
彼は、現状に不満を抱きつつも毎日を惰性で過ごしています。
そんな彼の前に現れたのが、1万回も生きてきたという不思議なネコ「小鉄」。
見た目は普通のネコですが、人間の言葉を話し、過去の記憶を見せるという特殊な能力を持っています。
まるで人生の先輩と会話しているみたい。
ズバッと核心をついてくるすごいネコなんです…。
「FIREは、別に悪いもんじゃないけど、それだけじゃダメ」
小鉄の言葉は、まるでFIRE=ゴールだと夢見ていた私を現実世界に引き戻すような、そんな衝撃的な言葉でした。
FIRE達成後も、人生は続く。その先をどう生きるか?
物語の中盤で描かれるのは、FIREを達成した人々の「その後」。
会社という束縛から解放されたはずなのに…その多くは「何か違う」と感じ始めていたのです。
- 毎日好きな時間に起きて、好きなことをして過ごす
- はじめのうちは最高に楽しかったけれど、次第に空虚な気持ちに苛まれていく
- 社会とのつながりを失い、目標を見失い、自分の存在意義がわからなくなる
つまり必ずしも”FIRE=「幸せ」”というわけではないということ。
自分の「FIRE」に対する考え方がいかに表面的だったかを思い知らされました。
「好き」を仕事にする。それが、私たちの生きる道
物語の後半、小鉄は「仕事」について語り始めます。
仕事とはなんなのか?それは、単にお金を稼ぐためのものではなく「社会の誰かの役に立つこと」であり、その対価としてお金が得られるということ。
そして、人が本当に幸せを感じるのは自分がやりたいと思える仕事を通して社会に貢献することなのだということ。
「仕事=我慢」という考え方が染み付いていた私にとって、小鉄の言葉はかなり衝撃的でした。
サイドFIREという新しい選択肢
物語の終盤で小鉄が提示したのは、「サイドFIRE」という考え方。
経済的な自由を手に入れながら、やりがいのある仕事をし、社会とのつながりを保つ。
個人的には、このサイドFIREという生き方がすごく魅力的に感じました。
この本がおすすめできる人・できない人
『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』をおすすめできる人とできない人は以下のとおりです。
おすすめできる人
- 仕事に疲れ果て、早く自由になりたいと考えている人
- FIREに興味があるが、本当にそれでいいのか迷っている人
- お金以外の「幸せ」について深く考えたい人
- ネコが好きな人
おすすめできない人
- FIREのための具体的な投資手法を知りたい人
- ファンタジー要素が苦手な人
私のように、さっさとお金を稼いでFIREしたい!と考えている人には特におすすめ。
レビューまとめ:人生を豊かにする、一冊の物語
本書は単なるFIRE本ではなく、「人生で本当に大切なもの」について考えさせられる内容でした。
FIREを夢見ている人も、そうでない人も、きっと本書から多くの学びを得ることができるはず。
「早く会社を辞めたい」「自由になりたい」
そんな思いを抱えている人はぜひ読んでみてください。